Topics

トピックス
2022/11/04

軽商用EVの販売再開 物流の脱炭素に対応

三菱自動車は13日、商用タイプの軽電気自動車(EV)「ミニキャブ・ミーブ」の販売を11月から再開すると発表した。
販売が伸び悩み2021年3月末に生産を停止したが、日本郵便など物流大手や自治体からの需要が増え、方針を転換する。
商用の軽EVはホンダや中国勢の参入が相次いでおり、競争が激しくなりそうだ。
再販モデルの性能は以前とほぼ変わらない。充電1回当たりの航続距離は133キロメートル。
価格も240万円強と据え置くが、国や東京都の補助金を活用することで1台あたり150万円程度で導入できる。
今回も水島製作所(岡山県倉敷市)で生産し、年間販売台数は停止前の4倍近い4800台を見込む。
ミニキャブ・ミーブは国内唯一の軽商用EVとして11年に販売が始まった。累計で約1万台を供給したが、21年3月末に生産を終了し、一部在庫の販売にとどまっていた。
足元では脱炭素への関心が高まり、物流大手や自治体から問い合わせが急増している。
三菱自の軽EV推進室長の五島賢司氏は「10年間の販売で培った実績を生かして、まずは再販でニーズに対応し、将来的には新たなモデルの開発も検討する」と話す。
同社はタイやインドネシアでミニキャブ・ミーブを使った実証実験を進めており、成果を踏まえて海外での販売や生産も検討していく。
軽商用EVを巡ってはホンダが24年前半に参入することを発表している。
SGホールディングス傘下の佐川急便は、EVスタートアップのASF(東京・千代田)が設計し、中国メーカーが生産する軽商用EVを23年から導入するなど、市場が広がっている。